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会社設立・法人登記

会社の定款が古いままでも大丈夫?変更履歴を整理して現行定款を作る方法

会社を設立してから何年も経ち、「手元にあるのは設立時の定款だけ」という会社は珍しくありません。

その後に本店移転、役員任期の変更、事業目的の追加などを行い、株主総会議事録は残っているものの、現在どの定款条文が有効なのか分かりにくくなっていることもあります。

結論からいうと、古い定款が手元にあるからといって、それだけで会社や過去の登記が直ちに無効になるわけではありません。

ただし、変更履歴が積み重なったままだと、次の登記や事業承継の際に確認作業が増えてしまいます。過去の議事録や登記内容を確認し、現在の内容が分かる形に整理しておくと安心です。

先日も、設立から時間が経った会社の手続で、古い定款とその後の変更内容を確認し、新旧対照表を作ってご説明する機会がありました。

会社の定款が古いままになっているケース

会社を長く経営していると、定款と実際の会社の状況が少しずつ分かりにくくなることがあります。

たとえば、次のようなケースです。

  • 会社設立時に作成した定款しか手元にない
  • 定款変更をした株主総会議事録だけが何年分も残っている
  • 本店移転や事業目的変更を何度か行っている
  • 役員の任期を途中で変更している
  • 登記事項証明書と定款の記載が一見すると違って見える

ここで注意したいのは、定款と登記事項証明書の記載が違うからといって、必ずしも間違いとは限らないことです。

たとえば、本店所在地について定款では「東京都杉並区」と定め、登記事項証明書では具体的な番地まで記載するということもあります。

また、定款に記載されている事項のすべてが登記事項になるわけでもありません。

そのため、定款だけ、登記事項証明書だけを見るのではなく、過去の株主総会議事録なども含めて確認することが大切です。

古い定款を放置すると何が分かりにくくなるか

定款の変更履歴が整理されていないと、特に分かりにくくなりやすいのが次のような事項です。

  • 取締役や監査役の任期
  • 取締役会や監査役などの機関設計
  • 株式の譲渡制限に関する定め
  • 公告方法
  • 事業目的
  • 本店所在地
  • 種類株式に関する定め

たとえば役員変更登記を行う場合、「この取締役の任期はいつまでなのか」を確認するには、現在有効な定款の内容が重要になります。

また、本店移転や事業目的変更などを行う場合にも、現在の定款を確認したうえで、定款変更が必要なのか、どの機関で決議すべきなのかを判断します。

本店移転の登記については、「会社の本店を移転したら登記はいつまで?必要書類や手続きを司法書士が解説」でも解説しています。

なお、株式会社が成立した後に定款の内容そのものを変更するときは、原則として株主総会で定款変更の決議を行います。

過去に適法に行われた変更を反映して、現在有効な条文を読みやすい形に一本化することと、今回新たに定款の内容を変更することは分けて考える必要があります。

新旧対照表を作ると変更箇所が分かりやすい

定款を見直す際に便利なのが新旧対照表です。

新旧対照表そのものが、すべての定款変更で法律上一律に作成を義務付けられている書類というわけではありません。

しかし、「どこを、どのように変更するのか」を経営者や株主に説明する資料として非常に分かりやすくなります。

現行条文 変更案 変更理由
当会社は、本店を東京都中野区に置く。 当会社は、本店を東京都杉並区に置く。 本店移転に伴う変更
取締役の任期は選任後2年以内に終了する事業年度の定時株主総会終結時までとする。 会社の状況に応じた任期へ変更 役員任期の見直し

過去の変更履歴を整理する場合には、「いつの株主総会で変更したのか」「どの議事録が根拠になるのか」も一緒に確認しておくと、その後の手続がさらに分かりやすくなります。

種類株式など定款の定めが特に重要になる制度もあります。たとえば、拒否権付き株式、いわゆる黄金株については「黄金株とは何か?少ない株式数でも拒否権を持てる仕組み」も参考にしてください。

登記の機会に定款全体を確認する

普段の会社経営で、定款を頻繁に読む経営者の方はそれほど多くないと思います。

だからこそ、次のような手続が発生したときは定款を確認する良い機会です。

  • 役員変更
  • 本店移転
  • 事業目的変更
  • 商号変更
  • 種類株式の導入
  • 事業承継

登記事項証明書、設立時の定款、その後の株主総会議事録などを突き合わせていくと、「現在どの条文が有効なのか」が整理できます。

定款変更のすべてが登記事項になるわけではありません。一方で、変更した内容が登記事項に当たる場合には、定款変更とは別に変更登記も必要になります。

会社法では株式会社の定款の備置きについて定められているため、「昔の定款しか見つからない」「議事録はあるが現在の定款がよく分からない」という場合には、一度整理しておくことをおすすめします。

司法書士くぼた事務所では、会社設立、役員変更、本店移転、事業目的変更などの商業登記を取り扱っています。取扱業務については商業登記に関するサービス案内もご覧ください。

書類を作るだけでなく、何をどう直したか分かる形でお渡しすることを大切にしています。

「手元の定款が古い気がする」「次の役員変更をする前に定款を確認したい」といった段階でも構いません。現在の書類を確認しながら、必要な手続きを整理します。

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※本記事は2026年9月時点の会社法等を確認して作成しています。会社の機関設計、定款の内容、株主構成等によって必要な決議や手続は異なります。

2026年9月4日

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