遺産分割協議書の書き方|相続登記で使うときの基本と注意点
相続人同士で「誰がどの財産を相続するか」が決まったら、その内容をまとめる書類が遺産分割協議書です。
特に不動産の相続登記に使う場合は、単に「自宅は長男が相続する」と書くだけではなく、不動産を登記記録に沿って正確に特定することが大切です。
今回は、相続登記に使う遺産分割協議書について、最低限押さえておきたい書き方と注意点を分かりやすく解説します。
遺産分割協議書には何を書く?
遺産分割協議書には決まった用紙や書式があるわけではありません。ただし、相続登記に使用するのであれば、少なくとも次の内容が分かるように作成します。
- 誰の相続についての協議なのか
- 相続人全員で協議したこと
- 誰がどの財産を相続するのか
- 協議が成立した日
- 各相続人の住所・氏名
たとえば、亡くなった父名義の土地と建物を長男が取得するのであれば、「相続人○○が次の不動産を取得する」としたうえで、対象となる土地・建物を具体的に記載します。
相続登記に提出する遺産分割協議書では、原則として相続人全員が実印を押し、それぞれの印鑑証明書を添付します。
不動産は「住所」ではなく登記記録どおりに書く
相続登記で特に注意したいのが、不動産の記載方法です。
たとえば「東京都杉並区○○一丁目○番○号の自宅」と書いただけでは、登記上どの不動産なのかを正確に特定できないことがあります。
土地であれば、基本的には次のような情報を確認します。
- 所在
- 地番
- 地目
- 地積
建物であれば、所在、家屋番号、種類、構造、床面積などを確認します。
固定資産税の納税通知書に書かれている住所だけを見て作るのではなく、登記事項証明書などで現在の登記記録を確認してから記載するのが安全です。
普段使っている住所と、登記上の「所在・地番」は同じとは限りません。
印鑑証明書は「3か月以内」でなくてもよい?
不動産の相続登記に添付する遺産分割協議書では、相続人全員の実印と印鑑証明書を用意するのが基本です。
ここで意外と誤解されやすいのが、印鑑証明書の有効期限です。
相続登記については、法務局の案内上、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書に「発行から3か月以内」といった期限は設けられていません。
一方、銀行などの相続手続では、金融機関独自のルールで「発行後6か月以内」などと求められる場合があります。同じ相続手続でも提出先によって取扱いが違う点には注意が必要です。
自分で作れるケースと、相談した方がよいケース
相続人が少なく、誰が何を相続するかも明確で、不動産も単純なケースであれば、ご自身で遺産分割協議書を作成して相続登記を進めることも可能です。
一方で、次のような場合は書類を作る前に確認した方がよいでしょう。
- 不動産が複数ある
- 相続が何代にもわたっている
- 相続人の中に未成年者がいる
- 連絡が取れない相続人がいる
- 海外在住の相続人がいる
- 不動産以外の預貯金などもまとめて整理したい
また、相続人同士で「誰が何を相続するか」について争いがある場合は、単なる登記書類の作成とは別の問題になります。そのような場合には、必要に応じて弁護士への相談を検討することになります。
反対に、相続人間では分け方が決まっていて、「この内容で相続登記まで進められる書類にしたい」という段階であれば、司法書士に相談しやすい場面です。
遺産分割協議書を作ったら、相続登記も忘れずに
遺産分割協議書は、作成しただけで不動産の名義が変わるわけではありません。
不動産を取得する相続人が決まったら、その内容に基づいて法務局へ相続登記を申請します。
現在は相続登記が義務化されており、遺産分割によって不動産を取得した場合にも登記の期限があります。協議書を作って安心してしまい、登記だけ残ってしまわないよう注意してください。
司法書士くぼた事務所では、遺産分割協議書の作成から相続登記まで、状況に応じてまとめてご案内しています。
「自分で作った協議書で登記できるか確認したい」「戸籍や不動産の確認から任せたい」といった場合も、まずは現在の状況をお聞かせください。
阿佐ヶ谷・南阿佐ヶ谷をはじめ杉並区周辺からのご相談のほか、オンラインでのご相談にも対応しています。
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2026年8月24日
