法定相続情報証明制度とは?戸籍を何度も出さなくていい、便利な仕組みを司法書士が解説
親が亡くなって相続手続きを始めると、まず直面するのが「戸籍集め」の大変さです。銀行、証券会社、法務局——それぞれに同じ戸籍の束を持っていかなければならない。「また同じ書類を出すの?」と思った方も多いはずです。
そのストレスをぐっと減らしてくれるのが、法定相続情報証明制度です。あまり知られていませんが、相続手続きをスムーズに進めるうえでとても便利な仕組みです。
どんな制度なのか
一言でいうと、「相続人が誰かを一枚の紙にまとめて、法務局に公認してもらう制度」です。
亡くなった方の戸籍をもとに「法定相続情報一覧図」という家系図のような書類を作り、法務局に提出します。法務局がその内容を確認して認証してくれると、以後はこの一枚を戸籍の代わりに使えるようになります。
銀行に行くたびに戸籍の束(多いと10冊以上になることもあります)を持ち歩く必要がなくなります。
具体的にどう便利なのか
たとえばこういうケースを考えてみてください。
お父さんが亡くなって、手続きが必要なものが「自宅の名義変更」「銀行口座が3つ」「証券口座が1つ」だったとします。これまでなら、それぞれの窓口に戸籍の束を提出して、戻ってくるのを待って、また次の窓口へ——という流れが必要でした。
法定相続情報一覧図があれば、同じ書類を何枚でも無料で発行してもらえます。つまり銀行Aに出しながら、同時に銀行Bにも出せます。複数の手続きを並行して進められるので、全体の時間が大幅に短縮されます。
使える場面
- 不動産の相続登記(名義変更)
- 銀行・ゆうちょ銀行の口座解約・名義変更
- 証券会社・投資信託の名義変更
- 相続税の申告
- 年金関係の手続き
特に「銀行口座がいくつもある」「不動産と預金の両方を手続きしたい」という場合に、威力を発揮します。
費用はかかる?
法務局への申請・一覧図の発行は無料です。何枚発行しても費用はかかりません。ただし申請に必要な戸籍を集める費用(1通数百円)はかかります。また司法書士に申請を依頼する場合は報酬が別途かかります。
自分で申請できる?
手続き自体は自分でもできます。ただ、申請に必要な戸籍の収集と一覧図の作成がひと手間かかります。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集める必要があるため、本籍が何度も変わっている場合は複数の市区町村に請求しなければなりません。ここが最も時間のかかる部分です。
司法書士に依頼すれば、戸籍の収集から一覧図の作成・法務局への申請まで、まとめてお任せいただけます。
一つ注意点があります
法定相続情報一覧図は、あくまで「相続人が誰か」を証明するものです。「誰が何を相続するか」は別の話で、それは遺産分割協議書で決めることになります。また相続登記そのものを済ませるためには、一覧図に加えて遺産分割協議書や印鑑証明書なども必要です。一覧図があれば全部解決、というわけではないので、全体の流れは把握しておくといいでしょう。
まとめ
法定相続情報証明制度は、相続手続きをスムーズに進めるための、地味だけど実用的な仕組みです。複数の機関で手続きが必要な場合は、最初にこれを取っておくと後が楽になります。
「相続手続きをどこから始めればいいかわからない」という方も、まずご相談ください。戸籍の収集から一覧図の作成、各種名義変更まで、まとめてサポートします。杉並区・荻窪・阿佐ヶ谷・高円寺・中野区・武蔵野市周辺の方、初回相談は無料です。
司法書士くぼた事務所(東京都杉並区)
相続登記・法定相続情報証明・遺産分割・遺言書作成・家族信託を専門とする司法書士事務所です。荻窪・阿佐ヶ谷・鷺ノ宮・下井草・西荻窪・高円寺・中野区・練馬区(石神井公園)・武蔵野市エリアの方からもご相談いただいています。
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2026年6月17日
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