生前贈与と相続、どちらがいい?司法書士が手続きの違いを解説
「生前に贈与しておいた方がいいのか、それとも相続まで待った方がいいのか」——このご相談は本当に多くいただきます。最初にお伝えしておきたいのですが、税金の有利・不利については、財産の額や種類、ご家族の状況によって変わるため、税理士に相談しながら判断するのが基本です。私は司法書士として、税務の判断はできません。
今日は、私の専門分野である「手続き面の違い」を中心にお話しします。税金の損得は税理士に、手続きの仕組みは私たち司法書士に、と分けて考えていただくと整理しやすいと思います。
そもそも何が違うのか
生前贈与は、本人が生きているうちに、自分の意思で財産を渡すことです。相続は、本人が亡くなったときに、法律で決まったルールに従って財産が引き継がれることです。
どちらも財産が次の世代に移る、という点は同じですが、「いつ」「誰の意思で」動かすかが大きく異なります。
手続き面の違い:登記費用は変わる
不動産を移すときの費用は、生前贈与と相続で違いがあります。司法書士として、ここは正確にお伝えできます。
| 項目 | 生前贈与 | 相続 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 不動産価額の2% | 不動産価額の0.4% |
| 不動産取得税 | 原則かかる | 原則かからない |
登記にかかる費用だけを見ると、相続のほうが軽い傾向があります。生前贈与は登録免許税が5倍、さらに不動産取得税もかかるため、不動産単体で見ると割高になりやすいです。
一方で、贈与税や相続税といった税金面の損得は、財産の総額や贈与のタイミング、利用できる控除制度などによって大きく変わってきます。この部分は、税理士が専門的に判断するところです。
手続きの進め方の違い
生前贈与の場合
- 贈与する側・受け取る側、双方の合意が必要
- 贈与契約書を作成するのが望ましい
- 法務局へ所有権移転登記(贈与)を申請
- 本人が生きているうちに、自分の意思で進められる
相続の場合
- 本人が亡くなった後にしか発生しない
- 相続人が複数いる場合は遺産分割協議が必要
- 法務局へ相続登記を申請(2024年4月から義務化)
- 本人の意思は、生前に遺言書を書いていなければ反映されない
大きな違いとして、生前贈与は「この人に、このタイミングで」という意思をはっきり反映できる点があります。相続は遺言書がなければ法律で決まった配分になるため、「特定の子どもに先に渡しておきたい」という場合は、生前贈与や遺言書の活用が選択肢になります。
どちらが向いているかは、ケースバイケース
「結局どっちがいいの?」という質問への答えは、正直に言うと「ご家族の状況によります」です。
- 財産の総額はどのくらいか(相続税の課税対象になるか)
- 不動産の価値が将来上がりそうか、下がりそうか
- 特定の人に早く渡したい事情があるか
- 複数の相続人がいて、トラブルを避けたいか
これらを踏まえた税金の比較や具体的な金額のシミュレーションは、税理士の専門分野です。当事務所では、必要に応じて税理士と連携しながらご相談を進めることができます。
司法書士としてお伝えできること
- 生前贈与・相続、それぞれの登記手続きの違いと費用感の説明
- 贈与契約書の作成支援
- 遺言書の作成支援(生前の意思を反映させる手段として)
- 家族信託の活用(贈与でも相続でもない、第三の選択肢として)
「うちの場合、税金的にどちらが得か」というご質問には、税理士と一緒にお答えする形になります。まずは状況を整理するところから、お気軽にご相談ください。
まとめ
生前贈与と相続、どちらがいいかは家族の状況によって変わり、税金の判断は税理士の専門分野です。司法書士の立場からお伝えできるのは、登記の費用面では相続のほうが軽い傾向があること、そして生前贈与は本人の意思をはっきり反映できる手段であることです。
「そろそろ将来のことを考えたい」という方は、まずお気軽にご相談ください。必要に応じて税理士とも連携しながら進めます。杉並区・荻窪・阿佐ヶ谷・高円寺・中野区・武蔵野市周辺の方、お待ちしております。
司法書士くぼた事務所(東京都杉並区)
生前贈与登記・相続登記・遺言書作成・家族信託を専門とする司法書士事務所です。荻窪・阿佐ヶ谷・鷺ノ宮・下井草・西荻窪・高円寺・中野区・練馬区・武蔵野市エリアの方からもご相談いただいています。JR中央線・総武線・地下鉄丸ノ内線「阿佐ヶ谷駅」「南阿佐ヶ谷駅」、西武新宿線「中村橋駅」周辺からもアクセスしやすい立地です。
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2026年6月26日
