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雑談・コラム

モンゴルの羊と日本のマグロ。「育てている途中のもの」を担保にする話

以前、モンゴルで働いていたことがあります。当時、現地で「羊やヤギを取引の単位として使うことがある」という話を聞きました。実際にどこまで制度として確立していたものかは私自身もきちんと検証できていませんが、家畜が遊牧民にとって財産そのものだという文化を考えると、納得感のある話でした。

そんなことを思い出していたら、ふと「日本にも、似たような発想の仕組みがあるのでは」と気になって調べてみました。今回は法律のお勉強というより、ちょっとした息抜き、雑談がてらのブログです。

担保といえば不動産、というイメージ

司法書士の仕事をしていると、担保というと不動産(抵当権)の話が中心になります。家や土地を担保に、お金を借りる。これが一番馴染みのある形です。

でも法律上は、不動産以外のものも担保にすることができます。会社の在庫商品や、工場の機械設備なども、実は担保にできるのです。これを「動産担保」といいます。

「育てている途中のもの」も担保になる

調べていて一番驚いたのが、養殖中のマグロを担保にした実例でした。

ある養殖業者が、いけすの場所と養殖している魚の種類を特定して、これを担保に金融機関から養殖資金を借り入れていたそうです。もちろん、養殖中でも普通に売買はできて、出荷していった分はまた新しい魚で補充していく、という運用がされています。

似たような話で、肥育中の牛を担保にした例もありました。ワインの製造過程で出るブドウの搾りかすを飼料にして育てた「ワインビーフ」という牛を、子牛の仕入れから育て上げるまでの資金調達の担保にしていた、という話です。

これを読んで、まさにモンゴルで聞いた「羊やヤギ」の話と同じ発想だなと感じました。今まさに育てている、これから価値が増えていく生き物そのものを、信用の裏付けにする。場所も時代もまったく違うのに、考え方の根っこは同じなんですよね。

こうした仕組みの名前

このように、入れ替わりのある複数の動産(在庫や養殖中の生き物など)をまとめて担保にする仕組みを、法律的には「集合動産譲渡担保」と呼びます。少し難しい名前ですが、「倉庫のこの場所にある、この種類の在庫全部」というように、種類・場所・量を決めておけば、一つのまとまりとして担保にできる、という仕組みです。

不動産を持っていない事業者でも、自社の在庫や生産物を活用して資金調達できる方法として、農業や漁業の分野で少しずつ使われているようです。

雑談からの気づき

「羊を担保にする」という、一見すると遠い国の昔話のような話が、実は日本の現代の金融の仕組みとつながっている。こういう発見があると、仕事の合間の息抜きにちょうどいい話題になります。

普段は相続や不動産登記の話が中心ですが、たまにこうした小話も書いていこうと思います。次回からまた、いつもの実務の話に戻ります。


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2026年6月24日

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