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不動産×相続

国際相続は、備えの有無で難易度が大きく変わります。司法書士が伝えたいこと

生前対策や遺言書の作成は、単なる事務手続きではありません。ご本人の人生観や、家族への想いが色濃く反映される、とても個人的で大切な作業です。今日は、このことをあらためて実感させられた経験をもとに、特に「国際相続」というテーマについてお話ししたいと思います。

生前対策は、思いの詰まったものです

日々、相続や遺言書のご相談をお受けする中で、「事務的な手続きの一つ」として淡々と進められるケースはほとんどありません。誰に何を残したいか、どんな想いでその財産を築いてきたか、家族との関係をどう考えているか——一件一件のご相談の背景には、その方だけの事情と想いが必ずあります。

だからこそ、生前対策は「いつかやろう」と先延ばしにするのではなく、思い立った時点で、できるだけ確実な形にしておくことが大切だと、あらためて強く感じています。

特に難易度が上がるのが「国際相続」です

相続の中でも、海外に財産がある場合や、相続人・被相続人が外国籍・海外在住である場合の「国際相続(渉外相続)」は、通常の相続に比べて格段に難易度が上がります。以前のブログでも渉外登記について触れましたが、今回はもう少し踏み込んで、その難しさをお伝えします。

現地の専門家との連携が必須になる

海外に不動産や金融資産がある場合、日本の法律だけでは手続きが完結しません。その国の弁護士や現地の専門家と連携しながら進める必要があり、言語の壁、時差、費用など、通常の相続にはない負担が発生します。何も準備がない状態で相続が発生すると、まず「どの国の、どの専門家に連絡すればいいのか」を一から探すところから始めなければなりません。

二国間にまたがる税務手続きが複雑になる

相続税の扱いは国によって大きく異なり、日本と海外、両方の税務を踏まえた手続きが必要になることがあります。二重課税を避けるための制度が存在する場合もありますが、その適用には専門的な判断が必要です。税理士との連携も、通常の相続以上に重要になってきます。

何から手をつけていいかわからない状態に陥りやすい

実際に相続が発生した後になって、「そもそも海外にどんな財産があるのか正確に把握できていない」「遺品の中から手がかりを探すところから始めなければならない」という状況に直面するケースは、決して珍しくありません。生前に情報が整理されていないと、残されたご家族の負担は非常に大きくなります。

備えの有無で、これほど変わります

生前にきちんとした対策——特に、公正証書遺言のように公的な手続きを経て確実に効力を持たせる形の遺言——が完成していれば、相続人は「何をすればいいか」の道筋がある程度見えた状態でスタートできます。逆に、対策が整っていない、あるいは途中で終わってしまっていると、残されたご家族はゼロから手探りで進めることになり、精神的にも実務的にも大きな負担を強いられます。

ここで一つお伝えしたいのは、生前対策は「着手した」ことと「完成した」ことは、まったく別だということです。自筆証書遺言を書いていても、公正証書遺言への切り替えを準備している途中だったとしても、それが完成する前に相続が発生してしまえば、残された家族が向き合う複雑さは大きく変わりません。少しでも早く、確実な形にしておくことが何より重要です。

今、できることから始めてください

  • 海外の財産について、所在・種類・関連する専門家の連絡先を整理しておく
  • 公正証書遺言など、確実性の高い形で生前対策を完成させる
  • 「準備中」で止めず、できるだけ早く手続きを完了させる
  • 税理士・現地専門家との連携も見据えて、司法書士に早めに相談する

まとめ

生前対策や遺言書の作成は、決して定型的な事務作業ではなく、お一人おひとりの人生や家族への想いが詰まった、大切な準備です。特に国際相続が関わる場合は、備えの有無によって、その後の負担が大きく変わってきます。「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、少しでも早く、確実な形にしておくことをおすすめします。

海外に財産がある方、国際相続の可能性がある方は、早めにご相談ください。杉並区・荻窪・阿佐ヶ谷・高円寺・中野区・武蔵野市周辺の方はもちろん、全国どこからでもオンラインでご相談を承っております。


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2026年7月23日

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